2018年3月10日

平昌2018パラ(2日目):パラアイスホッケー

地元韓国に敗れた日本。より厳しい状況へ

必死に日本のゴールを守る61歳の福島忍

平昌パラリンピック競技初日の10日、江陵ホッケーセンターではパラアイスホッケー1次リーグが行われ、日本は地元韓国と対戦。完全アウエーの中、日本は粘り強いディフェンスでいくつものピンチを凌ぎ、第2ピリオドの中盤まで無失点に抑えた。しかし、第2ピリオド6分に先取点を奪われて以降は、相手の勢いを止めることができず、1-4で敗れた。

2大会ぶりにパラリンピック出場を果たし、8年前のバンクーバー大会で獲得した銀メダル以来となる表彰台を目指して江陵に乗り込んだ日本。しかし、決勝トーナメント進出のためには絶対に落としてはいけない初戦の韓国戦を白星で飾ることはできなかった。

試合後のインタビューで誰もが口にしたように、第1ピリオドの入りは良かった。今大会のレフリーのジャッジは非常に厳格で、試合開始直後から日本はペナルティを取られ、何度も相手にパワープレーの時間を与えた。

それでも日本は、ゴールキーパーの福島忍(61=ニック)を中心に、チームで最も注力してきた鉄壁の守備でピンチを凌ぐ。ペナルティの多さは、それだけ強くチェックにいっている証拠でもあった。

一方、韓国は幾度となく訪れたチャンスをいかすことができず、得点することができない状況に焦りを感じていたに違いない。福島の好セーブとともに、明らかに韓国のミスで得点チャンスを逃すシーンも少なくなかった。

ところが、その「焦り」が、徐々に「自信」へと移り変わっていく――。

第2ピリオドの5分、高橋和廣(39歳=西東京市役所)がペナルティを取られ、韓国の数的有利な状態を指すパワープレーとなる。すると1分後、ベテランJang Dong Shinが距離のあるところからシュートを放つと、次の瞬間、パックは福島が挙げた左手をすり抜け、右上のコーナーに突き刺さった。

日本唯一の得点を決めた高橋和廣

しかし、この先取点以上に、「痛恨」だったのは、第3ピリオド開始早々での2失点目だった。日本のターンオーバーから、カウンターを狙った韓国は、最後はJung Seung Hwanが抜け出し、右に倒れながらシュート。パックは福島の脇の下を通り抜け、ゴール中央へと突き刺さった。

このゴールが韓国を勢いづけた。その5分後にもバックパスからの技ありのシュートを決めると、残り5分を切ったところで、さらにもう1点を加え、韓国のリードは4点に広がった。

一方、日本は第2ピリオドに韓国の選手が一気に2人ペナルティを取られ、5対3という絶好のチャンスを得ながらも、結局ゴールを割ることができなかった。

それでもなんとか一矢報いたい日本は、残り2分、この試合、ペナルティを3度も取られるなど、レフリーの厳しいジャッジに苦しんでいた高橋が、ゴール前のこぼれ球をゴールへとねじ込んだ。

しかし、時すでに遅し。日本は1-4で韓国に敗れた。

明日は、優勝候補の大本命ともいえる米国と対戦する。その米国に日本が敗れ、韓国がチェコに勝てば、決勝トーナメント進出の可能性は消える。まさに、日本は崖っぷちに立たされた。だが、もちろんまだ諦めてはいない。それは、唯一の得点を奪った高橋からのこんな言葉からも窺い知れる。

「同じ負けでも、1点を取るか取らないかでは、まったく違う。この1点は、明日以降へのモチベーションとなるはずです」

可能性がある限り、勝利を目指して戦う。今の日本にできること、そしてすべきことは、それしかない。

【大会結果一覧(2日目)】
■グループA
ITA 3-2 NOR
CAN 17 – 0 SWE
■グループB
KOR 4 - 1 JPN

(文・斎藤寿子、写真・岡川 武和)

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