2018年3月14日

平昌2018パラ(6日目):アルペンスキー

村岡桃佳、大回転、渾身の初金メダル

999|障害者スポーツ専門情報サイト sports news

今大会日本人初の金メダルを獲得した村岡桃佳

平昌パラリンピック大会6日目、大回転が行われ女子座位の村岡桃佳(21歳=早稲田大学)が日本勢初、さらに自身初となる金メダルを獲得した。

「ゴールしてモニターで1位を確認した瞬間、嬉しさと達成感、いろんな感情が入り混じっていました」

1本目、7番目に出走した村岡は、1分13秒42のタイムでトップに立った。全ての選手が滑り終わり、2番手の選手とのタイム差は1秒40。2本目。トップの村岡は最終スタートとなる。村岡はキレのあるカービングターンで果敢に攻め続けた。そうしてゴールすると、2本の合計タイムは2分59秒48。2位とのタイム差は2秒71。ぶっちぎりの勝利だった。

「これまで大回転のレースでは、1本目でトップをとっていても、だいたい2本目で巻き返されていました。今日は、そんなの絶対に嫌だと思っていた。1秒40のタイム差なんて、私がミスをすれば確実に抜かれてしまう。気持ちの引けた滑りをしたら、勝てないタイムだと思って2本目に臨みました」

2本揃えて好タイムを出すことは村岡の課題だった。

「2本とも乗り方や体の使い方を意識してスタートしたんですが、いつもだったら逆にそれしか見えなくなってしまってタイムに繋がらないことが多かったんです。今日は、スタート前にものすごく緊張していたんだけど、落ち着いている自分もいる。滑っているときに、アドレナリンが出まくっているのにどこか冷静に、ここは気をつけなくちゃいけないポイントだとか、分析していた。こんな感覚は初めてのことでした」

2本目がスタートする頃には気温が14度にまで上がった。斜面は荒れ、苦戦を強いられる選手が続出した。そんな中で、しっかりとターンを実現して滑っていた。

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2本目をフィニッシュした後、笑顔を見せた

「まだ1本目はそれほど荒れていませんでした。2本目、上から見ていてかなり荒れてきたかなと思っていたけれど、コーチから“それほどではない。桃佳らしくおりて来い”と情報をもらってスタートしたんです。でも、スタート直後の1ターンで、あれ、体が硬い、動かないって感じて、それでも2ターン目からはそれを修正して滑れた。それが、最終的な勝因だったのかな」

初めて出場したソチパラリンピックでは大回転で5位入賞。スーパー大回転ではゴールできずに悔し涙を流した。そこから4年。急成長の要因は、やはり世界トップクラスの先輩たちの存在だ。

「やっぱり私の周りにはお手本になる選手がいるので、その滑りをずっと間近で見てきた。まだカービングターンができなかった時には、どうやったらいいですか、と教えてもらうことも多かったのですが、徐々に見て学ぶようになりました」

先輩の一人、狩野亮(31=マルハン)もこう語る。

「僕らがやっていることを、桃佳がどんどん吸収していった。もう、今となっては教えるという感じではなく、彼女はずっと見て技術を習得している。時には僕ら男子選手よりも計測したタイムが上回ることもあるほど、ここ2年くらいで成長を見せていました」

そうして、掴んだ金メダルの栄光。21歳での獲得は、日本の冬季パラリンピック史上最年少記録である。

「日本選手団の旗手を務め、結果を残せた。それは私一人でできることではありません。たくさんの人の支えがあってできました」

大会最終日には回転が行われる。スーパー複合の2本目、回転でも村岡は好タイムをマークしている。最終日に向けて、村岡のギアはさらに上がって行く。


【日本人結果一覧(6日目)】※(クラス/年齢/所属) 累計タイム(1回目/2回目)
◼座位(男子)
4位 鈴木 猛史(LW12-2/29/KYB)2分17秒80(1分9秒90/1分7秒90)
5位 狩野 亮(LW11/31/マルハン)2分18秒12(1分9秒28/1分8秒84)
13位 夏目 堅司(LW11/44/アールディエス)2分23秒23(1分11秒45/1分11秒78)
途中棄権 森井 大輝(LW11/37/トヨタ自動車)

◼立位(男子)
18位 小池 岳太(LW6/8-2/35/JTBコミュニケーションデザイン)2分26秒38(1分13秒29/1分13秒9)
21位 高橋幸平(LW9-2/17盛岡農高)2分31秒64(1分15秒43/1分16秒21)
途中棄権 三澤 拓(LW2/30/SMBC日興証券)(1分12秒06/途中棄権)

◼座位(女子)
1位 村岡 桃佳(LW10-2/21/早稲田大学)2分26秒5(1分13秒47/1分13秒06)

◼立位(女子)
13位 本堂杏実(LW6/8-2/21/日本体育大学)2分45秒38(1分25秒12/1分20秒26)

(文・宮崎恵理、写真・岡川武和)

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