2018年8月17日

2018車いすバスケットボール世界選手権(2日目)

日本、白星発進!流れを変えたチーム最年少・鳥海連志

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レイアップを決める鳥海連志

16日(現地時間)に開幕した車いすバスケットボールの世界選手権。男子16チーム、女子12チームで「世界一」を決める4年に一度の大会に、男子日本代表が出場。チームは2020年東京パラリンピックでのメダル獲得に向け、過去最高の「4位以上」を狙う。

大会2日目の17日、日本はグループリーグ初戦でイタリアと対戦。前半でリードを許したものの、徐々に攻守の切り替えが速い「トランジションバスケ」が機能し、後半に逆転。日本は58-50で初戦を制し、白星発進した。

この試合、日本は生まれかわった姿を世界の舞台で披露してみせた――。

大事な初戦とあって、日本のスタートは明らかにかたかった。守備では要所要所で日本の技術の高さを感じさせ、ビッグマン擁するイタリアに対し、インサイドをケアする。イタリアは徐々にアウトサイドからのシュートが多くなり、日本のペースと言っても良かった。だが、一方でオフェンスではシュートの本数こそ決して少なくないものの、フィニッシュが決まらず、なかなか得点を積み上げることができない。徐々にイタリアのリードが広がり、1Qは7点差をつけられた。

しかし、及川晋平HCは落ち着いて見ていたという。
「ディフェンスが良かったので、あとはオフェンスに流れが出てくるのを待つだけでした」

その指揮官の期待に応えるかのように、2Q のスタートもシュートが決まらず嫌な流れになりつつあった日本に“光"をもたらしたのは、チーム最年少の鳥海連志だった。ベンチを温めていた間、「キーマンになる選手は誰なのか、自分がどういうプレーをすれば嫌がるのかということを考えていた」という鳥海。しっかりと準備をして出番を待っていた鳥海は、2Qが始まって約2分後にコートに現れるや否や、待ってましたとばかりに武器のスピードとキレのある動きで相手を翻弄。1分後には自らスチールをしたボールをそのまま速攻で敵陣のゴールに入れてみせた。

この鳥海のプレーに引きずられるかのように、試合は一気にスピードアップし、日本が狙う速い展開へと変わっていった。そして、日本のプレスディフェンスにイタリアは苦戦を強いられ、徐々に流れは日本の方へと傾いていった。

パスカットを狙う鳥海

3Qの序盤に同点に追いついた日本だったが、イタリアも粘りを見せ、1,2点を争う大接戦となった。終盤には日本のミスから相手に得点を奪われ、再びリードされてしまう。しかし、ここでもチームを救ったのは鳥海だった。再び自らのスチールからの速攻で得点を決める。さらに藤澤潔もフリースローを確実に2本入れ、3Qを終えた時点で、44-41と日本が3点をリードした。

だが、勝負はまだわからなかった。4Qのスタートは、再び日本のスコアが伸びない。一方のイタリアもシュートを決められず、コート上には重い空気が流れ始める。しかし、ここでも鳥海が躍動した。この試合初めてとなるミドルシュートを決めると、さらに好守備を見せてボールをカット。すぐにオフェンスへと切り替え、ゴール下に走る香西宏昭に好アシストした。またカットインからバックショットも決めるなど、攻守にわたってチームに貢献し続けた。

イタリアも3ポイントを決めるなど粘りを見せたが、最後はパスミスが続き、自分たちから崩れるかたちでシュートまでもっていくことができずに終わった。

ゴール下で存在感を示した秋田啓

チーム最多となる3つのスチールを決め、「自分の最大の役割」と語っていたディフェンスでチームに貢献した鳥海。そんな彼に対して「流れを生み出してくれましたね。やっぱり彼はこういうところでしっかりと仕事をするんだなと再確認した」と及川HCが語れば、キャプテンの豊島英も「スチールやボールプレッシャーに対して狙いを持ち、かつ成功させることのできる技術はさすがだと思った。後半でも走らくなったチームに彼が入ることによって、みんなのスピードが増すというプラスの働きもある。そういうところで、チームが救われた」と最年少のチームメイトを称えた。

この試合、活躍したのは鳥海だけではない。昨年、「彗星のごとく」台頭してきた秋田啓もだ。インサイドでのシュートを高確率に決め、約20分のプレータイムで香西に次ぐ12点、成功率は83%を誇った。また、日本代表の公式戦デビューを果たした岩井孝義も3本中2本を決めて見せる活躍を披露。川原凛も得意のクロスピックで相手を止め、日本の攻撃をバックアップ。こうした若い選手たちの活躍は、チームの大黒柱とされてきた香西や藤本だけではない、日本の今の姿といえる。

大会3日目の明日18日は、20時45分(日本時間19日3時45分)からトルコと対戦する。

(文・斎藤寿子、写真・竹内圭、峯瑞恵)

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