2018年10月11日

インドネシア2018アジアパラ競技大会(大会6日目):車いすバスケットボール

代表デビューの赤石竜我、今、飛躍のとき

韓国のエースにひるむことなく強いディフェンスをする赤石竜我


6日の開幕と同時に競技が始まった車いすバスケットボール。11日、男子は予選プールの最終戦が行われ、日本はマレーシアに95-39で快勝した。これで4戦全勝で予選プール1位通過することが決まり、明日12日の準決勝へと駒を進めた。今大会でアジア王座奪還を狙う日本において、今、最も成長著しい選手の一人がチーム最年少、18歳の赤石竜我だ。昨年、U23代表に初めて選出され、世界選手権ではベスト4進出に大きく貢献した赤石。あれからわずか1年で日本代表のユニフォームに袖を通した。大会期間中にも成長の跡を見せている赤石の姿を追った。

「アジパラの12人のメンバーに入ったことがわかった時は、嬉しいという気持ちの前に大きな重圧に襲われました。12人の中で唯一、僕だけが代表の国際大会を経験していないわけで、結果が出なかったらどうしようと最初は緊張しかありませんでした」

2017年に行われたU23世界選手権でベスト4に貢献


しかし、すぐに気持ちは切り替わった。家族をはじめ、代表選出の知らせを聞いた周囲から応援のメッセージがが届くと、赤石は「緊張している場合じゃないな」と感じたからだ。

10月6日、大会が開幕。すると、すぐに “その時"が訪れた。7日、予選プール初戦のサウジアラビア戦2Qのスタートの一人に赤石は抜擢されたのだ。ついに “代表デビュー"を果たした赤石。コート上に登場するや否や、持ち味のスピードと守備力を発揮した。デビュー戦とは思えないほど、そのアグレッシブなプレーはチームにしっかりとフィットしていた。

一方、自身が最大の課題としてきたオフェンスでは悔しさが残った。開始早々に訪れたシュートチャンスとなったミドルシュートを落とすと、さらにその数分後にはカットインプレーからのレイアップシュートも外してしまったのだ。結局、この試合5本すべてのシュートを落とした赤石。「入れようとしすぎるあまり、緊張で体が思うように動かなかった」という。

自分の役割は"トーク"とも話し、ベンチにいる時も大きな声を出す


しかし、その2日後の台湾戦では初戦の反省点をいかし、落ち着いて試合に入ったという赤石は、2Qの途中、左サイドからのミドルシュートを鮮やかに決めてみせた。“代表初得点"も顔色一つ変えず、淡々とプレーし続けた赤石だったが、実際は「やっと」の思いがこみ上げていたという。

「本当にすごく嬉しくて、顔がにやけそうになったのですが(笑)、でもすぐに次のプレーに集中しなければと思って我慢しました」

その翌日、前回覇者の韓国戦は前半、日本は相手に試合の主導権を握られ、苦しい展開を強いられた。だが、そんな中でも引き離されたかったのは、「若手の力が大きかった」と京谷和幸アシスタントコーチは、鳥海連志とともに赤石の名を挙げた。

格下相手の試合のみならず、タフな試合となった韓国戦でもプレータイムは、12人中5番目に多い14分半を誇った赤石。いかに彼がチームに機能し、重要な戦力となっているかは一目瞭然だ。今大会、試合を重ねていくたびに赤石の存在は大きくなっている。

初戦の後のインタビューで「若く、これからさらに伸びる可能性を秘めている赤石には、2020年以降、必ず活躍する選手になってくれるだろうという期待を寄せている」と語っていた及川晋平ヘッドコーチ。実際は、その指揮官の予想をはるかに上回る成長を見せているのかもしれない。

「イランを破って優勝するというチームの目標を達成するための一人として、今大会のメンバーに選ばれていると思っている」と語る赤石。準決勝、決勝ではさらなる飛躍を期待したい。

(文・斎藤寿子、撮影・岡川武和)

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