2018年10月21日

2018パラ卓球世界選手権(大会4日目)

世界一へ手応え、岩渕銅メダル獲得

目標の一つであるメダルを獲得した岩渕幸洋

10月20日(現地時間)、54の国と地域から350名の選手がスロベニア・ツェリェに集まったパラ卓球の世界最高峰2018パラ卓球世界選手権が幕を閉じた。日本は過去最高人数の16名が参加した中、男子クラス9の岩渕幸洋(協和発酵キリン)が準決勝で敗れはしたものの工藤恭子が2010年世界選手権で銀メダルを獲得した以来2大会ぶりの銅メダル。また、女子クラス11(知的クラス)の古川佳奈美も知的クラスではパラリンピックと世界選手権通じて個人戦では初メダルとなる銅メダル。東京パラリンピックのメダルの可能性を大きくした。

リオパラリンピックではオールストレート勝ちした絶対王者L.Devos

パラ卓球は車いすの部(クラス1-5)と立位の部(クラス6-11)の二つに分かれ、クラス11は知的障害である。障害が軽いほど数字は大きくなる。5ゲームの3セット先取で一般的な卓球より少ない短期決戦。

19日の準々決勝で5戦0勝のThompson Asheley Facey(イギリス)に3-0と圧勝した勢いのまま、準決勝で世界ランキング1位のL.Devos(ベルギー)に挑んだが、すぐにその勢いの火は王者に消された。。岩渕からのサーブで始まったこの試合、左利きのDevosのバックハンドのクロスに対応ができず、7連続ポイント取られ、0-7と格上の相手に出だしで差をつけられた。4連続ポイントがあったが、1セット目は5-11と先取される。「こちらのサーブもバックでうまくレシーブされ、自分の想定と違っていた」岩渕はゲームの始まりについて振り返った。

第2セットでいつもの雄叫びが飛び出す


いつもの雄叫びが出たのは2セット目からだった。いきなり3連続ポイントで3-0とした。その後、10-9とゲームポイントを握るも、10-12で競り負け、ゲームカウント0-2。3セット目で11-9と今大会唯一のセットを奪い、1-2とするが、4セット目では6-6から5連続ポイントを取られ、1-3で18歳の若き王者に力尽きた。「チャンスは後半あって、勝つ糸口はあったが相手が崩れてくれなかった、崩そうとはしていたが、ミスが少なくてこちらが焦ってしまってミスをしてしまった。」インドネシアで行われたアジアパラ競技大会から日本チームに帯同し、岩渕の大学の先輩である時吉佑一は敗因を語った。

岩渕がポイントを奪い、ともに吠える時吉コーチ


岩渕は「2セット目以降、サーブを工夫できたし、バックハンドブロックが入るようになったことで戦い方を考えられるようになった。完敗ではありません」とDevosに対して手応えを感じていた。今後の課題についても「7割くらいで打ってくるのを7割で打ち返す合わせる卓球ではなく、力を増した球を打てるようにし、サーブ含め引き出しを多くするだけ」と語った。

試合後、目に涙を浮かべ前を見つめる


2014年中国大会は決勝トーナメント1回戦敗退、リオ大会は予選敗退と世界との差はあった。しかし、実業団の年間王者を決める大会で2
連覇中の協和発酵キリンの卓球部に所属し、国内最高クラスで練習に励み力をつけてきた。リオパラリンピックから「緊張した状態でどう戦うか」と課題としてやってきたが、格上相手にも試合中落ち着いて、戦術を遂行できる冷静さを身につけたことで食らいつけた。今大会の目標として掲げていた「一つメダルを持って帰ること」と「上位に食い込めることをここで証明して東京パラでメダル候補として名をあげること」はクリアできた。

「世界のIWABUCHI」となった今、この悔しさを晴らす2年後の舞台で輝けるか、今後に期待したい。

(文、撮影・岡川武和)

【日本人最終結果一覧】
男子クラス6
七野一輝 ベスト16
男子クラス7 
決勝トーナメント
八木克勝 ベスト8
男子クラス9
岩渕幸洋 3位
鈴木伸幸 予選リーグ敗退
クラス11
竹守彪 ベスト8
加藤耕也 ベスト16
宮内良 予選リーグ敗退

女子クラス3
茶田ゆきみ 予選リーグ敗退
女子クラス8
友野有理 ベスト8
寛兼めぐみ 予選リーグ敗退
クラス9
石河惠美 予選リーグ敗退
女子クラス10
竹内望 ベスト16
工藤恭子 予選リーグ敗退
女子クラス11
古川佳奈美 3位
美遠さゆり ベスト8
伊藤槙紀 予選リーグ敗退

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